「子どもが生まれたから、広い家に住みたい」「いつかはマイホームが欲しいから、まずは戸建ての生活を体験してみたい」 そんな理由で、マンションから戸建賃貸への住み替えを検討する方が急増しています。しかし、初めて戸建てに住む方が内見で必ずと言っていいほど悩むのが、「家の周りの囲い(外構)」についてです。
ある物件はしっかりとした門があり、塀で囲まれている。別の物件は道路から玄関まで遮るものがなく開放的。これらは単なるデザインの違いに見えますが、実は日々の「安心感」や「セキュリティ」に直結する重要なポイントです。
さらに、戸建賃貸では「庭木の手入れは誰がするの?」といった管理面での違いも見落とせません。 今回は、不動産の専門家としての視点に加え、防犯心理学や現代の「宅配事情」も交えながら、初心者の方にも分かりやすく「門扉(もんぴ)」の重要性と、最近流行りの「オープン外構」の特徴について深掘り解説します。
1. まずは基本を知ろう!「クローズド外構」と「オープン外構」
不動産用語で「外構」とは、建物本体以外の外回りのこと(庭、駐車場、塀、門など)を指します。戸建賃貸を探す際、この外構のスタイルは大きく2つに分けられます。まずはこの違いをイメージしてみましょう。
一つ目は「クローズド外構」。 サザエさんの家のような、日本の伝統的なスタイルや映画に出てくるようなスタイリッシュな電動シャッター付の車庫や防犯カメラやインターフォンと連動したオートロック等、道路との境界には「門扉」があります。家の周りが塀やフェンスで囲まれており、敷地の内と外がはっきり分かれているのが特徴です。
二つ目は「オープン外構」。 都心部の少し狭い敷地で、複数の新築住宅を一度に分譲するような場合に、敷地境界に高い塀を建てると敷地の狭さが目立つうえに、それらの施行費も販売価格に加算されるため、表札・ポスト・インターフォン(宅配ボックス)等が一体化された『機能門柱』だけを家の前に設置しているものが、オープン外構にあたります。
・【比較表】ひと目でわかるメリット・デメリット
それぞれのスタイルには、一長一短があります。以下の表で整理してみましょう。
比較項目 |
クローズド外構(門扉・塀あり) |
オープン外構(開放的) |
主な特徴 |
敷地が囲われており、プライバシー性が高い。 |
開放感があり、日当たりや風通しが良い。 |
セキュリティ |
物理的な侵入障壁があり心理的にも入りにくいが、中に入ってしまうと外部からの視線を遮ることから、防犯上問題があると言われている。 |
死角が少なく誰でも敷地に入れてしまうが、近所や通行人の目線にさらされるため、防犯上は有利に働くとも言われている。 |
来訪者対応 |
門扉越しに対応可能(距離を保てる)。 |
玄関ドア前まで直接来られてしまう。 |
こんな人に
おすすめ |
・小さいお子様がいる
・防犯重視
・プライバシーを守りたい |
・ご近所付き合いを楽しみたい
・開放的な家が好き
・車の出し入れを楽にしたい |
敷地に余裕がある場合は、門扉等の遮蔽物を設置するのがほとんどで、隣家との空間が狭い物件がオープン外構としているケースが都心部では顕著です。
・【重要】門扉や植栽の管理は誰がやる?
ここで、マンション暮らしではあまり意識しなかった「管理の手間」についても触れておく必要があります。 クローズド外構は安心感がある一方で、植栽等の庭を造ることと一体で考えられることが多く、その意味では戸建賃貸で庭に植栽等が存在する場合、手入れを入居者が行う必要があるのか、水やりの必要がない自動散水装置がついていても、水道代を負担する必要があるのか等、住環境の維持に手間や費用がかかることも否めません。
⚠ 賃貸ならではの注意点「善管注意義務」
一般的に戸建賃貸では、庭の草むしりや植木の剪定は、入居者の負担(善管注意義務)とされる契約がほとんどです。 立派な生垣や手の込んだ庭がある物件は素敵ですが、「夏場の雑草処理や剪定が大変そうではないか?」という視点も忘れずに持ちましょう。その点、オープン外構はコンクリート敷きの部分が多く、手入れが楽なケースが多いです。
2. なぜ「門扉」が重要?セキュリティの第一関門としての役割
管理の手間があるとしても、戸建賃貸選びにおいて私たちは「門扉があること」を非常にポジティブな要素として評価します。それは、門扉が単なる出入り口ではなく、セキュリティの第一関門として機能するからです。
・泥棒が嫌がる「5分ルール」と「縄張り意識」
防犯のプロの間では有名な話ですが、空き巣などの侵入犯は「侵入に5分以上かかると約7割が諦める」というデータがあります。 門扉があり、さらに施錠されていた場合、犯人は「門を乗り越える」か「鍵を開ける」という手間をかけなければなりません。このワンアクションが時間を稼ぎ、犯行を断念させる大きな要因になります。
また、心理的な効果も見逃せません。 人間には「ゲート(門)をくぐると、他人のテリトリー(縄張り)に入った」と強く認識する心理的作用があります。門扉がある家は「ここは管理されている場所だ」という無言の圧力を発しており、通りすがりの出来心による侵入や、ポイ捨てなどを防ぐ効果も期待できるのです。
豆知識:子供の飛び出し事故防止にも!
小さなお子様がいるご家庭にとって、門扉は「命綱」にもなり得ます。玄関を出てすぐ道路という環境では、子供が勢いよく飛び出してしまうリスクがあります。門扉という「ワンクッション」があることで、親が追いつく時間が生まれ、交通事故のリスクを減らすことができるのです。
・現代の必須知識「置き配」と門扉の関係
ネットショッピングが普及した現代において、切っても切り離せないのが宅配ボックスや「置き配」の存在です。実は、ここでも外構スタイルが大きく関わってきます。
門扉や塀があるクローズド外構の場合、玄関前に荷物を置いてもらっても、道路側からは荷物が直接見えにくいというメリットがあります。これは「ここに荷物がある」という情報を隠すことになり、盗難リスクを下げる効果が期待できます。
逆にオープン外構の場合は、玄関先が道路から丸見えになることが多いため、無防備に荷物を置くのはリスクがあります。 オープン外構の物件を選ぶ際は、備え付けの宅配ボックスがあるか、あるいは自分で簡易的な宅配ボックスや「置き配バッグ」を設置するスペースがあり、盗難防止ワイヤーを繋げる場所があるかを確認することが、現代のセキュリティ対策として非常に重要です。
3. 流行りの「オープン外構」は危険?リスクと正しい付き合い方
ここまで門扉のメリットを強調しましたが、では「オープン外構の賃貸物件は危険だからやめるべき」なのでしょうか? 答えは「No」です。条件次第では、オープン外構の方が安全な場合さえあります。
・「あえて見せる」ことが防犯になるケース
高いブロック塀で囲まれた家は、一度侵入されてしまうと、外からの視線が完全に遮断されます。つまり、犯人は誰にも見られずに、ゆっくりと窓を割るなどの作業ができてしまう「死角」が生まれるのです。
対してオープン外構は、道路や隣家からの視線が敷地内まで届きます。 人通りのある道路に面していたり、ご近所同士の挨拶が活発な地域であれば、敷地内に知らない人が立っているだけで「あれ、誰だろう?」と目立ちます。泥棒は「誰かに見られること」を最も恐れるため、オープン外構の方がかえって避けられるケースもあるのです。
・オープン外構の物件を選ぶ際の注意点
ただし、オープン外構の物件を選ぶ場合は、以下の条件に当てはまるかチェックが必要です。
夜間の明るさ: 敷地内が暗いと「街の目」が機能しません。街灯が近くにあるか、玄関先にセンサーライトがあるか確認しましょう。
窓の防犯性能: 敷地への侵入が容易な分、建物(窓)での防御が重要です。シャッター(雨戸)があるか、1階の窓に面格子がついているかは必須チェック項目です。
オープン外構では、夜間の暗がりと室内の明るさにより、建物内が丸見えになってしまうこともあるので、カーテンやブラインド等の目隠しは必須になります。
4. 賃貸でも諦めない!入居後にできる防犯対策
「気に入った物件がオープン外構だった」「門扉はあるけど鍵がかからない」 そんな場合でも、賃貸でできる対策はたくさんあります。原状回復を気にせず導入できるアイテムをご紹介します。
1. センサーライトで「光の威嚇」
乾電池式やソーラー式のセンサーライトなら、配線工事不要で設置できます。駐車場や玄関脇、勝手口などに設置しましょう。人が近づくとパッと明るくなる光は、侵入者を驚かせるだけでなく、帰宅時の足元の安全確保にもなります。
2. 防犯砂利で「音の警報」
家の裏手や窓の下など、人目につきにくい場所には「防犯砂利」を敷くのが効果的です。踏むと「ジャリジャリ」と大きな音が鳴るため、泥棒が嫌がります。賃貸の場合、最初から敷かれていることもありますが、なければ大家さんに相談して敷設するか、プランターなどを置いて通りにくくする工夫をしましょう。
3. 窓の「補助錠」で時間を稼ぐ
ホームセンターや100円ショップでも売っている「窓用補助錠(ウインドロックなど)」は、サッシのレールに取り付けるだけで窓が開かなくなります。 窓の鍵(クレセント錠)付近のガラスを割られても、補助錠があれば窓は開きません。数百円で「侵入にかかる時間」を大幅に稼げる、コストパフォーマンス最強の対策です。
5. まとめ:あなたに合っているのはどっち?
戸建賃貸のセキュリティと外構について説明してきました。最後に、それぞれのスタイルがどんな方に向いているかまとめます。
【クローズド外構(門扉あり)がおすすめの方】 セキュリティの第一関門をしっかり設けたい方、小さなお子様がいるご家庭、置き配を頻繁に利用する方。
【オープン外構がおすすめの方】 開放的な暮らしを好む方、庭木の手入れなどの管理負担を減らしたい方、または「建物自体の戸締まりや防犯グッズ活用」をしっかり行う自信がある方。
どちらが良い・悪いではなく、ご自身のライフスタイルや家族構成に合わせて選ぶことが大切です。「賃貸だから」と妥協せず、自分たちでできる対策も組み合わせながら、安心で快適な戸建てライフを手に入れてください。
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