憧れの戸建賃貸での新生活。広いリビング、子どもが走り回れる庭、お隣を気にしない暮らし…想像するだけでワクワクしますね。でも、その第一歩である「賃貸契約」、内容をしっかり理解していますか?「難しそうだし、不動産屋さんにお任せでいいや」なんて思っていると、後で「こんなはずじゃなかった…」なんてことにもなりかねません。
実は、賃貸の契約には大きく2種類あり、どちらを選ぶかであなたの暮らし方が大きく変わってきます。特に戸建賃貸は、一般的なアパートやマンションとは少し事情が違うことも。この記事では、契約形態の違いからあなたにピッタリな選び方まで、とことん分かりやすく解説します!
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戸建賃貸の契約は2種類!
賃貸契約の基本は「普通借家契約」と「定期借家契約」の2つです。一番の違いは「契約期間が終わった後、更新して住み続けられるか」という点。まずはそれぞれのキャラクターを掴んでいきましょう。
長く住める安心感!「普通借家契約」とは?
こちらは、日本で最もスタンダードな契約で、いわば「住む人を手厚く守る」タイプの契約です。通常2年契約が多いですが、期間が来ても、あなたが「まだ住みたいです」と希望すれば、原則として契約は更新され続けます。
大家さん側から「出ていってください」と言うには、「正当事由」という、とても厳しいハードルを越えなければなりません。例えば、「大家さん自身が災害で家を失い、他に住む家が全くない」といった、よほどの事情がない限り、更新を断ることはできないのです。そのため、子どもの学校を変えたくないご家族や、地域に根差して暮らしたい方にとっては、この上ない安心感があります。
普通借家契約でよく耳にする「更新料」。これは、契約を更新する際に、大家さんへ支払うお礼金のようなもので、関東では新賃料×1カ月分が相場と言われています。一方で関西圏の京都では、1年契約の更新料は新賃料×1か月分、2年契約の更新料は新賃料×2ヶ月分が相場と言われています。一方、同じ関西圏の大阪では、更新料の収受があまりみられず、地域や物件ごとによって、まるで異なる対応が見られます。
契約前にしっかり確認しておきましょう。
期間が決まっている「定期借家契約」とは?
一方、定期借家契約は、「約束した期間でキッチリ終わる」タイプの契約です。まるで学校のように、入学(入居)と同時に卒業(退去)の日が決まっている、とイメージすると分かりやすいかもしれません。
この契約には「更新」という考え方がありません。契約期間が満了すれば、一度契約は完全に終了します。もし住み続けたい場合は、大家さんと相談し、お互いが合意すれば「再契約」という形で新たな契約を結び直します。また、大家さんは契約が終わる半年前~1年前には「もうすぐ契約が終わりますよ」と書面でお知らせする義務があるので、突然「明日出ていけ」と言われることはありません。
どっちがお得?メリット・デメリット
二つの契約、どちらが良い悪いではなく、それぞれに得意なこと、不得意なことがあります。あなたの立場と、大家さんの立場の両方から見てみましょう。
借主から見たメリット・デメリット
◆普通借家契約
【メリット】何と言っても、長く安定して住める安心感が一番です。
【デメリット】大家さんにとってはリスクがあるため、好立地の物件は募集が少なかったり、家賃が少し高めだったりすることがあります。
◆定期借家契約
【メリット】期間限定という条件のため、周辺の同じような物件より家賃が割安なことが多く、お得に入居できる可能性があります。また、本来は賃貸に出ないような、グレードの高い物件に住めるチャンスもあります。
【デメリット】契約期間が終わると、大家さんと再契約の合意が出来なければ、契約満了日までに引越ししなければなりません。
大家さんから見たメリット・デメリット
◆普通借家契約
【メリット】長く住んでもらえる可能性が高く、安定した家賃収入が見込めます。
【デメリット】一度貸すと、将来「自分で使いたい」と思っても、簡単には立ち退いてもらえません。
◆定期借家契約
【メリット】「3年後には海外から戻るから、それまで」というように、将来の計画が立てやすいのが最大の魅力です。
【デメリット】期間が限られるため入居者が見つかりにくいこともあり、家賃を下げたり礼金をゼロにしたりする工夫が必要な場合があります。
途中で引越しはできる?「中途解約」のルール
「もし契約期間中に転勤が決まったら?」これはとても気になりますよね。中途解約のルールは、契約形態によって異なります。
普通借家契約の場合:
多くの場合、「1ヶ月前(または2ヶ月前)までに申し出れば解約できる」という条項が入っています。比較的柔軟に解約が可能です。
定期借家契約の場合:
原則として、中途解約はできません。ただし、それではあまりに不便なため、多くの契約書には「特約」として中途解約条項が盛り込まれています。特に、200㎡未満の居住用物件で、転勤や療養、介護といった「やむを得ない事情」がある場合は、借主から解約を申し出ることが法律で認められています。契約前には、この中途解約に関する特約があるかどうか、必ず確認しましょう!
なぜ戸建賃貸には定期借家契約が多いの?
物件情報を見ていると、戸建賃貸に定期借家契約が多いことに気づくはずです。これには、戸建てならではの理由があるのです。
理由1:大家さんの「転勤留守宅」だから
最も多いのが、大家さんが仕事の都合で数年間だけ遠くに引っ越す「転勤留守宅」のケースです。自分が大切にしてきたマイホームを、空き家にして傷ませるよりは、その期間だけ誰かに丁寧に住んでほしい。そして、転勤が終われば必ず戻ってきたい。そんな大家さんの想いを叶えるのに、期間を定められる定期借家契約はピッタリなのです。
私たち借主にとっては、普通の賃貸物件にはないようなグレードの高い設備や、こだわりの庭が付いているなど、質の高い「掘り出し物」物件に出会える大きなチャンスでもあります。
理由2:将来の計画が決まっているから
他にも、「今は空いているけど、5年後には息子夫婦が住む予定」「相続した実家を、いずれは売却か建て替えしたい」など、将来の使い道が決まっている場合にも定期借家契約が選ばれます。
定期借家でも長く住める?「再契約」のウラ側
「定期借家=短期」と決めつけてしまうのは、まだ早いです。実は、長く住める可能性も十分にあるのです。
希望の光!「再契約」の可能性を探る方法
期間満了後も住み続けたい場合、「再契約」ができれば問題ありません。内見の際などに、不動産会社の担当者へ「この物件は、過去に再契約した実績はありますか?」「大家さんは、再契約について前向きですか?」と聞いてみましょう。大家さんの中には、「トラブルのない良い入居者さんなら、できるだけ長く住んでほしい」と考えている人も大勢います。
また、再契約の際には、家賃や管理費などの条件が変更される可能性があるだけでなく、「再契約料」(更新料とは違うが、同じ入居者と再契約する場合、更新料と同じようなもの)が必要な場合もあります。再契約の可能性と合わせて、その際の条件についても事前に確認しておくと、より安心です。
普通と定期のいいとこ取り?「再契約型定期借家」
最近では、再契約型定期借家という、借主にとって安心な契約も増えています。これは、契約書の中に「特別な問題がない限り、再契約をします」といった一文が入っているものです。これなら、定期借家契約でありながら、普通借家契約に近い感覚で、長期的な居住を見込むことができます。
ただし、「再契約型」という言葉も、法的に更新を保証するものではなく、あくまで貸主の意向を示すもの、と捉えておくのが賢明です。
契約前に最終チェック!後悔しないための3つのポイント
最後に、物件を決める前に必ずチェックしてほしい3つのポイントをお伝えします。
ポイント1:「特約」欄を見逃さない
契約書の中で最も重要なのが「特約」の欄です。ここには、その物件独自のルールが書かれています。「中途解約」や「再契約」に関する大事なことは、ほとんどこの特約に記載されています。面倒くさがらずに、一字一句しっかりと読み込みましょう。
ポイント2:不動産会社に「なぜ定期借家?」と質問する
気になる物件が定期借家契約だったら、勇気を出して「この物件は、なぜ定期借家なのですか?」と聞いてみましょう。その理由が「3年間の転勤留守宅だから」と分かれば、再契約の可能性は低いと判断できます。理由を知ることで、あなたのライフプランと合うかどうかを冷静に判断できます。
ポイント3:自分のライフプランと契約期間を照らし合わせる
「いつかは家を買いたいから、それまでの3年間だけ」「子どもの小学校卒業までの6年間はここに住みたい」など、あなた自身のライフプランを明確にしましょう。その計画と、物件の契約形態・期間がマッチしているかどうかが、最高の物件選びの鍵となります。
まとめ:契約の違いを知って、理想の戸建ライフを!
● 賃貸契約は2種類が基本
・普通借家契約:原則更新され、長く安定して住める。
・定期借家契約:期間満了で終了。「更新」はなく「再契約」。
● 戸建賃貸と定期借家契約
戸建賃貸に多いのは、大家さんの「転勤留守宅」が理由。そのため質の良い物件に出会えるチャンスも。
● 定期借家でも長く住める可能性
「再契約」の可否や「再契約型」の条項を確認することが重要。中途解約の特約も要チェック。
● 契約前の最終チェック
自分のライフプランと契約期間が合っているかを確認し、不明点は不動産会社にしっかり質問しましょう。
契約形態は、あなたの暮らしを支える大切な土台です。その特徴をしっかり理解して、ご自身のライフプランにぴったりの物件を見つけてください。
この記事が、あなたの理想の戸建賃貸ライフの最高のスタート地点となることを願っています。
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